こんにちは!DATAFLUCTのKazumi.Kです。
この記事では機械学習をより深く理解するためにAI、ディープラーニングとの関係に触れて解説します。AIについても意外と中身は知られていないと思いますので、AI・機械学習・ディープラーニングについて見ていきましょう。
AI・機械学習・ディープラーニングについて
「機械学習」は、AI(人工知能)の中の1つの技術の要素になります。
AIと聞くとみなさんは何を思い浮かびますか?
- ロボット
- 自動運転
- ...
人によって色んなイメージがありますよね。AIの定義についてはあとで触れますが、とにかく何かすごいもの・便利なものというイメージがあるかと思います。
またディープラーニング(深層学習)という言葉が数年前からよく聞くようになりましたが、「ディープラーニング」もAIの中の1つの技術になります。
AI・機械学習・ディープラーニングは歴史的にも一つの流れでつながっているので、次の図を見てみましょう。
まず人工知能(AI)という分野が生まれ、次にマシンラーニング(機械学習)、そしてディープラーニング(深層学習)が2000年代後半から活発化してきています。
では、最初に生まれたAIとは何なのか?についてより詳しく見ていきます。
AI(人工知能)とは
AIはArtifical Intelligenceの略で、日本語訳で人工知能になります。この「Artificial Intelligence」とは「人間が行う知的活動をコンピュータプログラムとして実現すること」を指します。この概念は、1950年にアラン・チューリングという人によって唱えられました。
現在、多くの学者・研究機関が引き続き人工知能を熱心に研究していますが、研究者によって人工知能の定義が異なっています。最初に考案したのはアラン・チューリングと言えるでしょうが、いまだに答えが出ていない分野になります。
以下は13人の研究者による人工知能の定義になります。
これだけの研究者でも定義が分かれてしまうので、私たちも人工知能について明確にこうであると言うことはできません。
とはいえ、人工知能とは「人間のように会話ができること、人間のように何かを認知したり判断できたりすること」とイメージしておくと良いのではないかと思います。
機械学習とは
次は機械学習を見ていきます。
機械学習はAIの中でも特に
「大量のデータから特徴や法則性を見つけ出して、将来を予測・判断するもの」
になります。
以下の記事では機械学習がメールをSPAMメール(迷惑メール)とそうでないメールに分ける例を紹介しました。
メールはまさに大量のデータであり、SPAMかどうかを分けるルールが法則性のことで、どのメールがSPAMかそうでないかを分けることは将来を予測・判断していることになります。
これは人間であればメールの一つ一つ見てSPAMかどうか判断するという行動を「機械学習」が代わりにやってくれているわけになります。人間の代わりにやってくれるためには「大量のデータ」が必要になります。コンピュータは僅かなデータを処理しただけでは、精度を欠き正しく判断できません。また「大量のデータ」を一度学習するだけでは足りず、何度も繰り返して学習することで判断能力を身につける必要があります。
このことを理解するために、人間で考えてみるとイメージしやすくなります。人間は生まれたばかりの時は何もできませんが、何年もかけて環境や言葉を学習して知性を持った大人の人間として振る舞うことができるようになります。機械学習も同じで、少しのデータや少しの学習回数では知性を持つことはできないので、大量のデータを反復学習することで人間に近いことができるようになるわけです。
また、人間は全て教えなくても細かいところは自分で判断して行動できます。機械学習も同じで、最初こそは学習する方法を指示するなどしますが、最後まで手取り足取り教えたりはしません。考えてみればSPAMメールを分けるのにメールの一つ一つを全部教えていたらとても人間の時間が足りませんよね。
これまで機械学習が登場する前のコンピュータは、人間が事細かに指示をしていました。(専門的にいうと一つ一つプログラミングをしていたということになります)
人間が事細かに指示しなくてはいけない限りは、コンピュータの限界は人間が指示できる限界だったのです。機械学習という技術が登場したことで、この人間が指示できる限界を超えることができたということが実はとてもすごいことであるわけです。
最後に
ここまでで機械学習について理解が深まったでしょうか。
あらためて機械学習とは「大量のデータから法則性を見つけ出して将来を予測・判断する技術」であり、それによりこれまでのコンピュータの限界を超えることができ、人間の知性・行動を再現する人工知能の実現に大きく貢献しているものになります。
私たちがパソコンで電卓を引っ張り出して計算するのがこれまでのコンピュータだったのに対し、スマホで計算式を撮るだけで計算結果を自動で出してくれる。そんな世界が機械学習によってほぼ実現していると言ってもいいのではないかと思います。
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